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ネットワーク監視の要、SNMPの仕組み

Jeff Edwards | Posted on | ネットワーク監視

簡易ネットワーク管理プロトコル(Simple Network Management Protocol、SNMP)は、デバイス間コミュニケーションの手法を提供し、ネットワーク監視の要になります。 ほぼすべてのテクノロジーメーカーがこのプロトコルをサポートしており、全デバイスへの包括的な監視が可能になるので、ネットワーク管理者は SNMP に大きく依存しています。

インターネットプロトコルスイートのコンポーネントであり、インターネット技術特別調査委員会(IETF)によって定義された SNMP は、ネットワーク管理のための一連のスタンダードで構成されています。これらには、アプリケーション層プロトコルとデータベーススキーマアーキテクチャが含まれます。

このプロトコルは、クライアント/サーバーモデルに基づいています。マネージャと呼ばれるサーバーは、ネットワーク上のデバイスに関する情報を収集して処理します。エージェントと呼ばれるクライアントは、マネージャーにデータを送信するネットワーク上のあらゆるタイプのデバイスです。マネージャとエージェントは、いくつかのプロトコルデータユニットを活用して通信します。

  • GetRequest – マネージャからエージェントに変数の値を報告するようリクエストします。
  • SetRequest – マネージャからエージェントに変数の値を設定するよう指示します。
  • GetNextRequest – マネージャからエージェントに次の変数の値を報告するようリクエストします。多くのエージェントへの一括リクエスト (GetBulk) として実行することもできます。
  • Response – エージェントからマネージャに、リクエストされた変数の値を応答として返します。
  • Trap – エージェントからマネージャに、リクエストへの返答ではなく能動的にメッセージを送信します。
  • InformRequest – エージェントからマネージャに通知するとき、確認もリクエストします。
  • Report – エージェントからマネージャに通知されたメッセージをチェックし、問題のタイプを特定します。

このプロトコルは、システムのステータスと設定を記述する変数の形式で管理データをやりとりし、変数はリモートでクエリや操作ができます。

IP ネットワーク全体を可視化

SNMP を使わなければ、ネットワークデバイスを簡単に設定することはできません。ネットワークスループット、使用状況、パフォーマンスの問題、セキュリティ違反に関する情報を収集することもできません。SNMP を使用することで、サーバーからワークステーション、プリンター、ハブ、スイッチ、ルーターに至るまで、事実上、IPネットワークで起こっていることすべてを確認できます。

SNMP のもう1つの優れた機能は、デバイスのパフォーマンスにほとんど影響を与えず、トランスポート要件も最小限であるため、ネットワークトラフィックに影響を与えないことです。他のほとんどのネットワークアプリケーションに障害が発生した場合でも動作し続けます。

SNMP の最新バージョン

SNMP の最初のバージョンは1980年代のもので、現在でもパブリックインターネットで使用されています。ですが、内部ネットワークでは、インターネット標準になっている最新バージョン(SNMPv3)を使用するべきです。データパケットを認証および暗号化して、外部の侵入者によるアクセスをブロックし、セキュリティ機能が向上しています。

SNMPv3 は、各デバイスが処理するユーザーとデータの種類、ネットワークが閉じているか開いているかに応じて、4つの異なるセキュリティレベルを柔軟に適用できます。

認証のみ

プライバシーのみ

認証とプライバシー

プライバシーなし、認証なし

SNMPv3 に加わった他の主要な機能には、メッセージの整合性チェックと、信頼できるソースからのメッセージであることの保証が含まれます。また、ユーザーに対して読み取り、書き込み、通知などのアクセス制御も行うことができます。権限のないユーザーによって傍受されたものは、自動的に文字化けします。

SNMPv3 ではセキュリティ機能が向上していますが、デバイスを保護するためには、プロトコルだけに頼るべきではありません。個々のユーザーの役割を明確にし、各デバイスに適切な資格情報を割り当てる必要があります。また、不正なデバイスへのアクセスをブロックするために、アクセスコントロールリストを作成することも考慮すべきです。

管理情報ベースの役割

SNMP の重要なコンポーネントは、管理情報ベース(Management Information Base、MIB)です。デバイスから収集されたデータを、階層構造になったテキストファイルの形で保持します。MIB はすべての SNMP 対応デバイスに含まれており、監視ソフトウェアで使用可能な形式に変換できます。

階層構造になっているという特質は非常に重要で、様々なベンダーのデバイスの管理可能な機能はすべて、オブジェクト識別子を構成する名前と番号で適切に整理できます。

SNMPでは、ポーリングと情報交換に加えて、マネージャからの明示的なリクエストがなくてもデータパッケージを送信することができます。この SNMP “Trap” を事前設定して、デバイスに何らかの変化があった場合、エージェントからマネージャに通知するようにすることができます。クライアント(監視ソフトウェア)は、デバイスの設定を変更することができます。

SNMP 監視ソリューション

SNMP を有効利用する便利なソリューションとして、プログレスの WhatsUp Gold があります。このソリューションは、SNMP 対応デバイスをすべて監視でき、また、Windows、Unix、Linux などのオペレーティングシステムも監視します。WhatsUp Gold はさらに、SNMP MIB Walker、Explorer、マルチ SNMP 変数プローブ、トレンド分析など、SNMP 管理ツールの完全なセットを提供します。

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