ネットワークは、単にビジネスをサポートする技術的バックボーンではありません。ネットワークはビジネスに直結します。ネットワーク、サーバー、アプリケーションが中断すると、業務が完全に停滞してしまうことがあります。ヘルプデスクへの苦情を除いて。ネットワークが中断すると苦情が怒涛のように押し寄せ、問題解決に使いたい時間が苦情への対応にとられてしまいます。IT管理者が避けたい悪循環です。

IT部門は、ビジネスをスムーズに展開し、ユーザーを満足させるために、可用性の高い高性能ネットワークを必要としています。求められるネットワークが、クラウド、モバイル、さらにはモノのインターネット(IoT)にも対応できるものであることは言うまでもありません。

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残念なことに、もし、ネットワーク管理ツールを寄せ集めて使っていて、その調整に苦労するようなら、IT部門はネットワークの可用性を高く維持することはできません。

見えないものを管理することはできません

ネットワーク管理者に対してネットワークを運用する上での課題は何かと尋ねた、Enterprise Management Associates(EMA)の調査があります。詳細は、EMAの2016ネットワーク管理メガトレンドレポートに掲載され、「How High-Performance IT Teams Monitor Their Networks」と題するホワイトペーパーに要約されています。

ネットワークをスムーズに運用する上での最大の問題は何だったでしょうか?それは、エンド・ツー・エンドの可視性の欠如でした。見えないものを管理することはできないので、この回答は至極当然と言えるでしょう。

解決すべき課題として挙げられた問題は次の通りです。

  • エンド・ツー・エンドの可視性の欠如 (25%)
  • 可視性の欠如と外部クラウドをコントロールできない点  (23%)
  • 断片化されたネットワーク管理ツール (19%)
  • ドメインを超えた可視性の欠如  (19%)

EMAは、ネットワーク管理ツールを整理し、テクノロジーの数を少なくしてドメイン間で統合すると、ネットワーク運用がよりスムーズになると指摘しています。私たちも賛同します。

ネットワーク管理ツール: 多過ぎるという問題

ネットワーク全体にわたるエンドツーエンドの可視性の欠如は、狭いスコープで開発してきたネットワーク監視ツール開発側の問題とも言えます。たとえば、1つのツールはネットワークデバイスを検出するように設計され、別のツールはそれらのデバイスをマッピングし、3つ目はデバイスメトリックを監視する、といったように細分化されていることがあります。このようにソフトウェアが混在していると、あるツールから別のツールに何度も切り替える必要が生じます。切り替えるときには、データもどこかに蓄積しておく必要があり、大きな負担になります。

この問題を解決するため、業務を合理化する、統合された多機能ネットワーク監視および管理システムが開発されました。このようなシステムを使えば、IT 部門は面倒なツール切り替えから開放され、シンプルに見通しよくネットワークを管理できます。

ただ、多くの企業で古くから使われている、個別に狭いスコープで機能する多数のネットワーク管理・監視ツールは、ほおっておいてなくなるものではありません。IT 管理者が、多過ぎて負荷が大きく、トラブルシューティングに時間がかかり過ぎる、という問題として認識することが大切でしょう。

ネットワーク監視における3つの失敗とそれを回避する方策について記述したホワイトペーパー、「ネットワーク監視で陥りやすい3つの失敗」もご参照ください。