BYOD

BYOD は私生活をないがしろにするか?

RCRWireless に掲載されたオピニオン記事は、2016年が BYOD 管理の年となると予測しています。コストを削減し、従業員を社畜化することを厭わないような企業が増えると解釈するのは少し偏った考えでしょうか?

RCRWireless  に掲載された  Cass Information Systems の経費管理部門のセールス&マーケティング担当副社長  Josh Bouk 氏のオピニオン記事は、2016年が BYOD 管理の年となると予測しています。コストを削減し、従業員を社畜化することを厭わないような企業が増えると解釈するのは少し偏った考えでしょうか?

Cass は、大規模な BYOD プログラムの管理ソリューションのプロバイダーであり、2015年に175社の約200人のIT リーダーへのアンケート調査を行いました。上司から BYOD ポリシーを受け入れるようにとの圧力を感じたという意見はほとんどありませんでした。Cass の製品には、他の多くの BYOD ソリューションとは異なり、重要な機能として、従業員への払い戻しが含まれています(調査対象の半数の会社で、そういった制度は用意されていませんでした)。

私用デバイスを使うとき

専門家(法律も含めて)の見解によると、払い戻しは単なる「ニンジン」ではなく、必須の要件ということになります。

「プランのコストをある程度配分する必要があります。トークンで支払うのもいいかもしれません。」と、HR Topics の著者、講演者、そして所有者である Lori Kleiman 氏は話します。「また、米国の場合、労働基準法適用除外従業員でない従業員に対しては、管理者や他人とのコミュニケーションに費やす時間(仕事の電子メールを見ているだけの時間も含みます)は、支払われるべき勤務時間に相当することが法律で定められていることを雇用主側は認識するべきです。」

コスト削減は、概してビジネスとして適切な取り組みですが、共同所有者という認識がないまま、あるいはそのほかの報奨的なものを用意しないで、「個人のデバイスを持ち込んで」仕事をさせることは、従業員の経費で生産性を高めながら、従業員の私生活を職務にマージさせる試みになります。私生活の時間を奪うことになるとも考えられ、モバイル・デバイスのサービスプロバイダに支払う料金の一部を個人で肩代わりしているとも考えられます。

「そういったことは、会社の外の生活をまったく重んじない態度です。」と Kleiman 氏は話します。「従業員は、会社関係のことではいつも対応可能でないといけないと感じます。簡単な質問に答えるのをいやだとは思わないとしても、自宅でのんびり過ごすというレベルとはかけ離れています。夕食時にワインを飲んでくつろいでいたときに仕事の電話を受けたら、あまり丁寧で的確な対応はできないかもしれません。」

また、子供たちがモバイルゲームに夢中になっていて、仕事の電話をとってしまうかもしれません。家庭内ではそれを阻止することは困難です。親は子供が楽しくゲームで遊べる環境を奪ってはいけません。結局は、家庭に仕事を持ち込むのはうまくいきにくいでしょう。

電話の線引き

私用デバイスを持ち込むべきだとの見解には、従業員はモバイル・デバイスがないと落ち着かず、職場で自分のデバイスを使えることを喜んでいるという認識が根底にあるように思われます。しかし、従業員が就業時間後の「電話応対」を拒否した場合、どうなるでしょうか?従業員が、BYOD は残業代やデバイス購入費を節約するための小賢しい方法だと気付いた場合はどうなりますか?

「影響は、業務管理上の問題に及びます。例えば、対応可能でない時間を埋めるための小規模な昇給や、勤労意欲を向上させるための昇格が必要になるかもしれません。」と Kleiman 氏は話します。

かつて「面倒な」従業員と思われていましたが、筆者は私生活と職業生活とをしっかり区別します。IT は、BYOD によって私生活と職業生活とを混合させてしまうことなく、十分に業務を遂行できます。そうすることは基本的に組織にとってメリットがあります。わかりやすいメリットは、ハードウェア・コストと時間外賃金を削減する目的に適っている点です(問題が発生したときにいつでも連絡を取れるようにするために、ヘルプデスクを社内に配置しなければならない理由はありますか?)。未払いの残業代問題も解決できます。

従業員は、モバイルポリシー・プログラムに参加して、サードパーティーの管理者による携帯電話へのアクセスを許可するよう求めらるかもしれません。また、業務目的で個人の携帯電話番号を尋ねられるかもしれません。いずれの場合も、どのように対応するのがいいでしょうか?反抗してみようと想像してもいいですが、それは本当に望ましいことではないでしょう。もちろん、ただすべてに盲従する必要はありません。それによりどのような利点があるかを把握し、リスクを評価してください。仕事をするという契約は、両当事者に利点をもたらすギブ・アンド・テイクの取り決めです。重要な項目には当事者として戦うことも必要になるかもしれません。

双方向のコミュニケーション

「コミュニケーションしながら妥協点を探るという、どんな場合でも必要なプロセスが必要になります。」と、Kleiman 氏は述べています。「従業員は、この問題に関して上司からの要請を柔軟に受け入れた場合、会社も個人の事情(職場での個人的な電話や航空券の予約が必要だったり、自宅で修繕業者が作業するので自宅から仕事をしなければならなかったり)に対して柔軟に容認すべきだということを理解しておくことが大切です。会社は、BYOD を交換条件にして就業日に柔軟性を持たせることは容認されるということを管理者が事前に把握できるよう、正式な柔軟性ポリシーを策定することを検討すべきでしょう。」

結局のところ、双方向コミュニケーションが不可欠です。管理者は、いつ呼び出すか、どのような対応が期待されるのかに関して明確にする必要がありますが、従業員側も、同様に、自宅での状況を管理者が理解できるようにし、当然与えられるべき開放された時間があるのかを確認する必要があります。Kleiman 氏がすべてのコミュニケーションのために提案するのは、まず最初にテキストを送信して、今話をしても大丈夫かと尋ねることです。従業員側は、都合が悪ければ自由に断って構わないのですが、状況が緊急であるかどうか尋ね、そうであれば代替案を提示してください。

BYOD は競争上の優位性を提供するかもしれませんが、誰にとってもフェアでなければなりません。企業利益のシェアを持つ事業主および上級管理職は、長時間拘束されることを厭わないだけの動機付けがあります。他の従業員は、そうとは限りません。プロフェッショナリズムが欠けているわけではなく、私生活を有意義に過ごしたいからです。プライベートな時間にトラックで走ったり、友達と夜出かけたり、家族での団欒を楽しんだりするのは、誰にでも許されるべきです。従業員の私生活の充実を尊重する BYOD   ポリシーを持った会社は、顧客やサポートしている部門からあまり苦情が来ないような、人を大切にする会社です。

 

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