IT からマーケティングまで、クラウドコンピューティングは、ビジネスの世界を様変わりさせました。私たちは今、無制限の拡張性と信頼性を得て、メンテナンスの煩わしさからも解放されました。もう何も心配することなく、平穏な日々を満喫できるでしょうか。

まあ、正しくは、そうとは言い切れません。オンプレミスサーバーを管理する煩わしさがなく、膨大なスケーラビリティとストレージ容量をすぐに利用できることは間違いなく大きなプラスですが、クラウドコンピューティングのその拡張容易性は、驚くほど簡単にコストが膨れ上がることにつながります。

ある調査によると、2018年には、企業はクラウドサービスに約26%多く支出すると予想されていました。これは、IT全体の支出の増加を上回るものです。一方、2017年のレポート は、企業が不要なクラウドサービスへの支払いのために、年間6,200万ドルという驚くべき金額を無駄にしていると報告しています。

クラウド利用のコストが野放しに高騰しないよう、しっかりコントロールするにはどうすればいいでしょうか?

それには、クラウド監視を実施するのが一番でしょう。クラウド監視とは、クラウドインフラストラクチャやクラウド資産の運用上のワークフローとプロセスを確認および管理するプロセスです。これは一般的に、クラウドインフラストラクチャへのアクセス管理とコントロールを集中的に行う自動監視ソフトウェアを通して実装されます。管理者はクラウドデバイスとコンポーネントの運用状況を確認できます。クラウド使用状況と使用量に応じた料金も追跡できます。クラウド監視ツールは、次のように実利的に利用できます。

使用状況とコストの監視

WhatsUp Goldクラウド監視が追加されたとき、ユーザーからのフィードバックで最も多かった要望は、クラウドで消費するリソースとリソース使用に伴うコストを監視する機能が欲しいというものでした。AWS や Azure はその種の機能を提供しているとはいうものの、追跡は簡単ではなく、見失ってしまうことも多いため、よくわからないうちにクラウド使用への出費が膨張してしまう可能性があります。

お客様からの要望に応える形で、WhatsUp Gold 2018 にクラウド利用にかかる料金の監視機能を実装しました。クラウドサービスの使用状況とそれに伴うコストを監視し、ハイブリッドクラウド環境に設定された予算と照らし合わせたり、使用量のしきい値を超えた場合に警告するよう設定することもできます。

自動アクションの設定

クラウド使用量に関する警告に加え、さらに積極的なクラウド監視の使い方があります。クラウド使用のアクティビティが、設定されたしきい値を超えたり、逆に下回ったりする場合、効率とパフォーマンスを維持するために、その状況に応じて自動的にサーバーを追加または削除するようにするアクションを設定できます。クラウドのパフォーマンス問題についても同じことが言えます。このような積極的対策を施しておくと、IT 部門の生産性が向上し、エンドユーザーに悪影響が及ぶ前に問題を解決できます。

長期トレンドの追跡

クラウドサービスのプロバイダによって提供される監視ツールは、30日間や60日間など、限られた期間しかデータを保存しないものが多いようです。これでは長期的なトレンド分析には不十分です。クラウド使用状況のトレンド分析には、少なくとも数ヶ月にわたってデータを保存する必要があります。1月のネットワークアクティビティは7月のネットワークアクティビティとは大きく異なる可能性がありますが、30〜60日のデータでは比較分析できません。WhatsUp Gold のクラウド監視では、クラウド使用量データを複数年にわたって保存することも可能です。長期的なネットワーク使用の傾向を正確に把握しておくことは、ネットワークをより効率的に運用するのに役立ちます。


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