帯域幅過剰使用の検出 – 原因、影響、対策

ネットワーク監視システムにログインしたとき、ダッシュボードに「帯域幅の過剰使用を検出」との表示があった場合、それは単なる定型メッセージではなく、ネットワークに負荷がかかっている兆候を示しています。帯域幅はネットワークを良好に稼働させるための基盤であり、使用量が予想外に急増すると、その影響は深刻になる可能性があります。アプリケーションの動作が遅くなり、クラウドコストが増加し、場合によってはセキュリティ脅威を示すこともあります。

このブログでは、帯域幅の過剰使用がなぜ問題なのか、原因としてどのようなことが考えられるかについて説明し、問題を検出、診断、解決するための実践的な方法を紹介します。

帯域幅の過剰使用はなぜ問題なのか

帯域幅とは、特定の期間にネットワークを介して転送できる最大データ量を指します。使用量が通常レベルを超えると、パフォーマンスが低下します。その結果、VoIP、ERP、CRM プラットフォーム、ビデオ会議ツール、クラウドを介したコラボレーションシステムなど、ビジネスに不可欠なアプリケーションに遅延が生じて大きな問題になる可能性があります。また、多くのクラウドプロバイダーはデータ転送量に基づいて課金するので、コスト増加にも直結します。さらに、帯域幅が過剰に使用されているという異常なトラフィックパターンは、マルウェアやデータ窃盗などの悪意あるアクティビティを示唆している場合もあります。

現在の帯域幅使用状況が不確かな場合は、帯域幅の使用状況を確認して、自社環境での基準値を把握しておくことが大切です。この情報は、トラブルシューティング時の参考として大いに役立ちます。

帯域幅の過剰使用は、単に速度を低下させるだけではありません。ワークフローのスムーズな流れを妨げ、重要なプロセスに不具合が生じて、エンドユーザーは不満を募らせます。医療や金融など、稼働時間と応答性が重要な業界では特に、こうした遅延は深刻な問題であり、帯域幅過剰使用の問題は迅速に検出して、速やかに対処する必要があります。

帯域幅過剰使用の考えられる原因

帯域幅の急増を引き起こす要因は、悪意によらない自然発生的なものと、意図的なアクティビティに起因するものの、大きく2つの種類に分けられます。

悪意によらないケース

帯域幅使用を増大させる要因には、様々なものがあります。大規模なバックアップやソフトウェア更新は、膨大なデータ転送を必要とします。このようなプロセスは重要ではあるものの、それがピーク時間帯に実行されればネットワークへの負荷は膨れ上がります。リモートワークもネットワークへの負荷を増大させます。ビデオ通話やオンライン会議は大量の帯域幅を消費します。プレゼンテーションやトレーニング中のストリーミングも要因となります。データセンターやクラウド間の継続的な同期も影響します。レプリケーションジョブはバックグラウンドで動作させても、消費する帯域幅は急速に積み重なります。

これらに加え、クラウドベースのアプリケーション利用も帯域幅使用を増大させます。より多くのワークロードがクラウドに移行されれば、オンプレミスシステムとクラウド間のデータ転送は常態化します。こういった点をしっかり考慮して適切に計画しないと、悪意がなくても大きな問題につながります。

意図的なアクティビティに起因するケース

帯域幅の急増は、マルウェア感染やボットネット活動によって、ネットワークに大量の送信トラフィックが発生することで引き起こされる場合もあります。社員が IT 部門の許可なしにアプリやサービスを利用するシャドー IT も、悪意からではないとしても、予期せぬ負荷を発生させることがあります。最悪のケースとしては、攻撃者が DDoS 攻撃を仕掛けたり、機密情報を盗もうとデータ流出を試みたりして、ネットワークに大きな負荷を与える場合もあります。特に、悪意あるアクティビティによる帯域幅の過剰使用は、セキュリティ上の重要問題であり、業務の中断にもつながるので、即座に対応する必要があります。

無許可のストリーミングやファイル共有も要因となり得ます。社員が個人デバイスや非業務用アプリを使用すると、業務に不可欠なシステムに影響を与えるほどの帯域幅を消費する場合があります。

ネットワーク監視ツールによる帯域幅過剰使用の検出

WhatsUp Gold のような高度なネットワーク監視ソリューションは、複数の手法を活用して帯域幅の異常な使用状況を検出します。

  • ディープパケット、NetFlow、SNMP 検査によるトラフィック分析
  • しきい値ベースおよび異常検知による通常出ないパターンの検出
  • プロアクティブな対応のためのリアルタイムアラートと定期レポート
  • 再発する問題を特定するための過去の傾向分析

これらの機能を利用して帯域幅の過剰使用を迅速に検出し、対処することができます。異常検知は特定デバイスのトラフィック急増を検出でき、過去の傾向分析はその問題がより大きなパターンの一部かどうかを判断するのに役立ちます。

また、監視ツールは、どのアプリケーションやエンドポイントが最も帯域幅を消費しているかを可視化します。問題を正しく診断するには、このような詳細なレベルの情報が不可欠です。

問題の診断と原因の解明

「帯域幅の過剰使用を検出」というアラートがダッシュボードに表示されたら、次のようにしてトラブルシューティングを始めます。

  1. 最も帯域幅を使用している IP またはデバイスを特定する
  2. アプリケーションの使用状況を確認し、正規のアプリか不正なアプリかを検証する (「帯域幅使用状況の監視」ブログを参照してください)
  3. 帯域幅の急増の発生時刻をチェックし、ユーザーの動作との関連性がないかどうか詳しく確認する
  4. トラフィックの種類と宛先を確認する。特に不審な外部 IP がないかどうかに注目

以上に加え、WhatsUp Gold のようなトラフィックアナライザーを利用してネットワーク帯域使用を監視したり、トラフィックが急増する時間帯が日常的にあるかどうかや、繰り返し発生する異常がないか、などといったパターンを探すことも重要です。このように詳細に分析することで、通常の変動の範囲内か、実際に問題が生じているのかを識別することができます。

緩和策と対応戦略

帯域幅の過剰使用が検出された場合は、迅速な対応が不可欠です。

即時対応策

  • QoS (Quality of Service) ポリシーを実装し、重要なトラフィックを優先する
  • 不要なアプリやサイトを一時的にブロックする
  • 感染したシステムを隔離し、マルウェアの拡散を防止する

これらの措置を行うことで、調査を続けながらパフォーマンスを安定させることができます。

中長期的な戦略

  • 今後問題が起こらないよう、使用ポリシーを策定し、トラフィックシェーピングを確立
  • 帯域幅容量の超過が頻繁に発生するようなら、インフラをアップグレード
  • 勤務時間中のストリーミングなど、帯域幅を大量に消費する行為についてユーザー教育
  • 帯域幅管理ツールを導入し、コントロールを自動化
  • 段階的なアラートレベルを設定し、問題が深刻化する前に対応

さらに、不要なサービスに帯域幅制限を設定したり、大規模なデータ転送をオフピーク時間にスケジュールすることも効果的です。こうした小さな調整が全体的なパフォーマンスに大きな違いをもたらします。

プロアクティブな帯域幅監視文化の構築

帯域幅管理は、アラートへの対応だけではありません。先手を打つことが重要です。

  • 定期的な監視監査により、ネットワーク全体の可視性を確保し、深刻化する前に問題を特定
  • 自動化と AI による予測アラートで、予期せぬスパイクや障害のリスクを低減
  • 使用状況の追跡、トレンド分析、プロアクティブな対応を、集中型ネットワーク監視ツールで一元化

プロアクティブなアプローチには、社員教育も含まれます。自分の行動がネットワークパフォーマンスに与える影響を理解すれば、ベストプラクティスに従う可能性が高まります。これに自動化ポリシーとインテリジェントな監視を組み合わせることで、堅牢で効率的かつ安全なネットワーク環境を構築できます。

これらの戦略を活用することで、最適なパフォーマンスを維持し、コストのかかる業務中断を回避できます。

WhatsUp Gold を使用した帯域幅コントロールと統括的なネットワーク監視

WhatsUp Gold ネットワーク監視ソリューションを使用すると、簡単に効果的な帯域幅の監視を行うことができるだけでなく、様々なメトリクス、サービス、パフォーマンスの状況を可視化して、直感的な単一ダッシュボードで IT インフラストラクチャを統合的に管理できます。

WhatsUp Gold は無料で試用できます。無料試用版をダウンロードして、シンプルで効率的な高性能 IT インフラ監視を体験してみてください。