ネットワークのダウンタイムは、誰にとっても喜ばしいものではありえません。このブログでは、ネットワークの稼働を中断させないための方策について考察したいと思います。ネットワークのダウンタイムは、生産性の低下、業務の続行不能、顧客やパートナー、社内ユーザーからの不満、など、様々な悪影響を引き起こします。次のようなポイントは注目に値します。

  • ダウンタイムによって、本来なら得られるべき収益のうち、265 億ドルもの収益が毎年失われています。
  • ダウンタイムは顧客喪失という大きな損害をもたらします。システムがダウンすると不満が高まって、ネットワークが利用可能な競合他社に乗り換えてしまう顧客が増加します。
  • Web サイトの可用性が検索ランキングの鍵となります。Google は、一貫性のある、常時利用可能なシステムを高く評価し、ダウンタイムがよく発生するシステムは評価が下がります。

こういったダウンタイムが引き起こす問題に対する解決策は、ネットワークのダウンタイムを回避し、ネットワークの稼働時間を高く保つことです。それには、ネットワーク監視、あるいは IT インフラストラクチャ監視を実施して、ネットワークに問題が生ずる前に対処できるようにすることが重要です。

ネットワークのダウンタイムで発生するコスト

ネットワークのダウンタイムで発生するコストは増加の一途をたどっています。Techchannel によると、約44% の企業が、1時間あたりのダウンタイムコストは100万ドルから500万ドル以上(弁護士費用、罰金、違約金は含まず)と回答しています。また、91% の組織が、ミッションクリティカルなサーバーやアプリケーションがオフラインになってしまうと、1時間のダウンタイムは、ビジネスの損失、生産性の中断、修復作業により平均 30 万ドルを超えると回答し、1時間あたりのダウンタイムのコストが10万ドル未満と見積もっている組織は、主に中小企業でわずか 1% です。

下の図は、ITIC の調査によるダウンタイムの時間当たりのコストを示していますが、このようなコストを避けるため、企業がネットワークの稼働時間を高く保ちたいと考えるのは当然です。実際、調査対象となった組織の 89% が 99.99% 以上の可用性 (4つの9、フォーナイン) を、35% が 99.999% の可用性 (5つの9、ファイブナイン) を確保することを目指しています。

ダウンタイムを回避するには?

ネットワークのダウンタイムを回避するための第一歩は、まず稼働時間データを追跡し、分析することです。"WhatsUp Gold を使用して、稼働時間データをエクスポート" というタイトルのブログでは、「稼働時間、ダウンタイム、サービス時間、そのほかの雑多な時間に関するデータには、目に見える以上の情報が多く含まれています。稼働時間関連の様々なデータから、さらに多様な情報を生成することもできます。ネットワーク監視の利点の1つである稼働時間レポートは、顧客エクスペリエンス、データセキュリティ、収益損失、コスト削減の可能性など、多くのことを伝えることができます。」と説明しています。稼働時間データは、ネットワークのパフォーマンスを追跡し、深刻化する前のまだ修正が容易な問題を検出することができるので、ダウンタイムを予測するのに役立ちます。

稼働時間レポートは、最も基本的なレベルとして、ネットワーク自体またはその一部が稼働しているかどうかを示します。より深いレベルでは、デバイス稼働時間レポートには、選択した間隔におけるネットワークデバイスの稼働時間ステータスが表示され、次の情報が表示されます。

  • デバイス - デバイスの名前
  • アドレス - デバイスの IP アドレス
  • アップ - デバイスが「アップ」状態であった時間の割合
  • メンテナンス - デバイスがメンテナンスモードになっていた時間の割合
  • 不明 - ステータス状況が判明していない時間の割合
  • ダウン - 「ダウン」状態であった時間の割合

稼働状況レポートを確認しつつ、ダウンタイムが発生する前に対策を施す必要がありますが、統合された管理ダッシュボードがある監視ソリューションが役立ちます。仮想、物理、プライベートクラウド環境を含むネットワーク上のあらゆるポイントから情報を収集できるため、アプリケーションへのアクセス速度が遅くなり始めた時点で、問題が悪化してダウンタイムが発生してしまう前に問題の根本原因を特定し、速やかにトラブルシューティングすることができます。

多くの組織が目指すネットワークのファイブナインの可用性を実現するために、このような統合ネットワーク監視ソリューションを導入することは理にかなっています。

ネットワーク稼働時間のファイブナインを確保した例

ある大手運送会社の 99.999% アップタイム達成事例をご紹介します。

船舶、トラック、列車で使用される貨物コンテナを供給する大手運送会社に新しい IT 部門長が配属されました。コンテナ管理のためのネットワークには、12 か所に仮想サーバーと物理サーバーが配置されており、90 を超えるネットワークデバイスがありました。ネットワークは、150 のアクティブモニタとパッシブ (SNMP トラップ) モニタによって監視されていました。

新しい IT 部門長は、着任初日のスタッフとのミーティングで、IT 部門がネットワーク監視ツールを使用していないか、またはネットワーク監視ツールにアクセスできないことを知りました。ネットワークのダウンタイムを引き起こす問題については、ユーザーからの苦情が殺到し始めて初めて把握でき、トラブルシューティングに奔走することになります。同じ問題が再び発生しても同じプロセスが繰り返されます。以前 2 つの仕事で WhatsUp Gold ネットワーク監視ソフトウェアを使用したことがあった IT 部門長は、WhatsUp Gold を、いくつかの統合製品を含めて導入しました。

IT 部門では、まず、ネットワークを視覚化するために、ネットワーク上のすべてを詳細に示す動的なトポロジーマップを構築しました。次に、組み込みのネットワークステータスレポートを使用して、配線の問題、ネットワークループ、管理されていないスイッチ、ネットワークの過負荷デバイスなどの問題が確認できるようにしました。この情報をもとに、ネットワークの脆弱な部分や障害のある部分をすべて取り除き、置き換えることができました。

1 年後、ネットワークの稼働時間は、99.999% まで改善されました (ベースラインとなる当初の稼働時間の数字は、敢えて測定していませんでした) 。ネットワーク稼働時間のファイブナインを達成できた理由の1つは、問題が表面化してから対処するのでなく、ネットワークを常時監視することによって表面下で起こっている問題を把握し、根本原因を解明して解決できるようになったためです。IT 部門長は、「WhatsUp Gold は一度セットアップされると、自動的に実行されます。」と説明します。結果として、ネットワーク維持のために必要なスタッフは 2 人だけになり、残りのスタッフはプロアクティブな作業に専念できるようにって、全体的な IT サービスのレベルは大きく向上しました。

WhatsUp Gold を利用した高可用性の確保

WhatsUp Gold は、ネットワークデバイス監視によって高可用性の確保に役立ちます。ネットワークの稼働時間を高く維持し、ダウンタイムのコストを回避したい場合は、プログレスの WhatsUp Goldお試しください。

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